南ア・三峰川・岳沢
2009/12/20(日) 曇
メンバー=岡田・加藤・遠峰2名
12/28(0日目) 集合
20:20 岡田宅発。帰省ラッシュも無く、順調に伊那ICで下り、戸台へ向かう。ちょっとナビに狭い道を通らされたが、間違えずに登山口へ。戸台大橋は通行止。最後の200mが細いガタ道。
23:30 戸台登山口に到着。広い河原の駐車場だ。車は20台くらいあるが、まだまだ止められる。遠峰の二人はまだ到着してないようだ。適当にテントを張り、小宴会。

30分ほどすると車の音が聞こえてくる。外に出てみると、稲葉氏の車。合流して宴会を続ける。話がはずんで、結構飲んでしまい、26時過ぎにシューリョー。冷え込みも厳しくなく、月が明るい良い夜だった。
12/29(1日目) 晴 入山〜岳沢出合
7:30 起床。よく眠れた。軽く朝食を食い、稲葉氏の車は戸台にデポし、岡田の車に4人乗って、瀬戸峡の丸山谷へ向かう。20分ほどで到着。案の定、塩沢出合でゲートが閉まっていて、手前のスペースに車を止め、準備。

9:10 出発。しばらくは車も通れる林道を歩く。雪が出てきて、先行パーティのいることがわかる。車はなかったから、タクシーで入ったのかな。南沢と北沢の分岐にビミョーな「発電所」がある。
10:00 林道終点で休憩。いくつか堰堤を越えた。
そこからすぐに二俣となり、左に入る。途中日の当たる台地があったので、休憩。今日はいい日だ。
ちょっとした滝を避けるように?、道は右岸の尾根を急登する。踏み跡もテープもあり。

すると上から2人パーティが降りてくる。話をすると、チリ雪崩が頻発するので岳沢F4で敗退してきたとのこと。ふーん、そーなのって感じだが、今日の明日ならまず心配ないので、特に気にも留めず、ひたすら汗かく。100mほどの登りが終わると道はトラバース気味に沢と平行する。
12:00 営林宿舎跡に到着。

廃屋後かなり経ってるようで、鹿のフンがいっぱい。日も当たるので、のんびり休憩。
宿舎のある右岸を少し登り、右俣出合から左岸に渡り、右俣をそのまま登り、少ししたら出合う左の沢をひたすら詰める。右側に小滝がいつかあった。

正面に滝が見えてきた。登る価値もないし、早くテン場に着きたいので、右岸から高巻く。

ここからは沢に戻っても、尾根を行っても悪いらしいので、尾根を登ってみる。しばらくは獣道があり良かったが、すぐになくなり、藪が濃くなる。加藤さんと稲葉氏は途中で沢へ下り、こっちの方がいいと言うので、先行してた岡田と黄氏もそれに従う。が、沢は泥崩れを起こしていて、下りるのに難渋した。

そこからは沢の左岸尾根を最低鞍部の岳沢越を目指し、急登。凍っててよくない。
15:45 岳沢越。樹林が濃く、展望はない。期待はずれだった。

トレースとテープもあり、三峰川へ一気に下る。雪は多くなるが、その下は凍ってて滑らないように気を使う。

最後はルンゼ状となり、雪は腿まで来るが、ガンガン下れた。結構直線的に下ったので、川に下りてから、15分ほど下流へ歩く。
16:20 岳沢出合に到着。広いのですぐそことわかる。岩場の陰にすばらしいテン場があったので、迷わずそこに天幕る。岳沢の豊富な水量で水には困らない。おまけに枯れ枝がたくさんあり、しかも乾いてるときたもんだ。自然と?加藤さんと稲葉氏が薪を集め始め、ある程度たまったら、稲葉氏がダケカンバの樹皮で一発点火!彼には「火起こし名人」の称号を贈らせてもらおう。
火が落ち着いたところで、テントに入って宴会。今晩はゆっくり、たくさん酒を飲める唯一の日なので、持寄り鍋で豪勢にやる。アガリは餅を入れて、雑煮風に。美味いし腹一杯になった。
黄氏が寝るというので、一旦お開きにして、3人で外へ出て焚き火を囲む。今度は本格的に火を燃し、雪や汗で濡れたものを乾かす。まったりと酒を飲みながら、火を囲むのはいいもんだ。岡田は泥のルンゼで毛手袋を泥だらけにしてしまい、雪でこすってきれいにしたはいいものの、すっかり濡れてしまったので、毛手袋を火にあてる。最初は手にして暖めていたが、面倒くさくなり、火のそばに置いておいたら、右手の人差し指と中指の先が焦げてしまった。うーんまいった。唯一の毛手袋なのに。(これが後に響くことになるとは・・・)
21時頃就寝。焚き火は暖かく、月夜の寒空は最高の夜となった。
12/30(2日目) 晴のち雪:風やや強い 岳沢出合〜F8上
4:30 起床。あまり良く眠れなかった。朝食は味噌ラーメン。いつもは吐きそうになって朝は食えないラーメンだったが、何故かちゃんと食えた。
6:35 明るくなってから出発。歩きづらい河原を詰めていく。遠くにソーメン流しと思われる氷が見える。

7:30 F1着。ショボイな〜。(またです。はい)

ここで今回初めて登攀準備。フリーソロで行っちゃおうとなるが、最上部が悪いとのことで、ザイルを出す。15mで3+級。グレードは空身登攀での主観ですが、幕営装備背負ってるから、1グレード上でいいと思うんだけど。
準備も含めて、抜けるのに1時間半を要してしまう。抜けると風が出てくる。広い河原を行くと、小滝。ここがF2だと勘違いした。

そしてF2。すぐ上にF3も見え、ここで初めて先行Pを確認する。

先行PはF3上部で荷揚げしてるところだった。実際どっちがF2だかわからないが、どっちでもいいレベルです。
稲葉氏リードでF2登攀。10mで3級。ザイルは要らんけどね。今回のオーダーは、稲葉氏がリードでザイル2本引っ張り、セカンドが黄氏、サードの岡田がザイル1本引っ張り、ラストが加藤さん。
セカンドがリードをビレイし、サードがラストをビレイする。これを同時に行えれば理想だが、実際はそーもいかず、ラストが登りきるのと、リードのスタートが同じくらいだった。まーそれでも早かったと思う。
そして屏風状に広がるF3。

でかいなー。こんなゲレンデがあれば、1日いっぱい遊べるのに。滝自体はでかいが、実質15mで4+級。落氷があるので、しばらく待ちー。

中央のスカート状から登り、右上する。乗越すとそのまま60度の氷雪がF4へと続く。この間安定した所はなく、潅木はスクリューでビレイ。頑張ればF4右下のいいところに届くかも。
F4。15mで4級。ここは水流が見えてて、しょぼかった。けど発達期待できます。

12:50 F4を越えるとまた広い河原なんで休憩。見えるのがF5。

ここまで天気も薄曇で落ち着いてて、登攀も順調だ。ここからF7までは簡単なので、ザイルをしまう。
F5はあまりに小さすぎ、それと気がつかず、先行Pのトレースに従い左岸より巻いてしまう。巻き終わると二俣で、あーさっきのがF5だと気がつく。
そんでF6。実質8mで3級。雪で隠れて露出度は低いようだ。そのまま氷雪と雪を登る。

続けてF7。たぶん本物は雪に埋もれてしまってると思う。左岸に氷があったが、これは側壁だろうと思い、やはり先行Pのトレース通りに巻いて?しまう。
14:00 そして、いよいよF8こと「ソーメン流し」がバーーーンときました。上部は右に折れるんで見えない、かな?

デケー。でも傾斜がねーなー。先行Pがリードしてた。落氷がすんごいので要注意ですな。とりあえず、落氷を避けられる右側を20mフリーソロで登って、足場を作り、先行Pが抜けるのを待つ。このへんから登攀待ちでの寒さが身にしみてくる。雪もチラホラ。

1P目。40mで4−級。最後は60度のルンゼ状の氷雪。終了点は明確で、滝自体が右折して、切れてる感じ。左壁にハーケン2本あり。

2P目。40mで4+級。リードの稲葉氏はここへ来ても、安定してザイルを伸ばしていく。

ここから風が出てきて、さらに寒く、手も足もカチカチに。おまけに落氷が風に乗ってこちらに落ちて来るので、ずーっと上を見てなければなんで、首も辛かった。
さすがにこのピッチでは、手が痺れて、感覚がなくなってしまい、登り切った後、終了点でビレイしてるとき、血が戻ってきて、例の痛みに耐えることに。
また登ってる最中に、なーんか氷の凹みが見えづれーなーと思っていたら、結構暗くなってきていて、ラストの加藤さんは急いで登るはめに。
F8上の10m右側の吹き溜まりに先行Pが天幕っていた。うちらはさらに上のF9右下にいい場所を見つけ天幕る。なんとか真っ暗闇ギリセーフで良かった。そんなに時間がかかってるとは思わなかったけどね。氷ばっかで楽しかったからかなー。いずれにせよ核心は抜けたんで、今夜からの寒波でも抜けられる見通しはついたわけだ。
残りわずかな酒を分け合い、本日の労を労う。晩飯はカレー味イカ墨風炒飯。美味くていっぱい食す。山ではこれくらい濃い味の方がいいみたいだな。ラジオでは日本レコード大賞をやってた。これを山で聞くのが通年行事になってるなー。21時頃寝たかな。
夜は気温も下がり、風雪が強かった。この夜は快適に眠れた。
12/31(3日目) 風雪:風非常に強い F9下〜小仙丈ケ岳下
4:30 起床。朝食はカレーうどん。雪戻しで水をつくるので時間がかかったが、6時半には準備を終える。今朝は一段と冷え込んで寒い。完全に寒波がやってきたねー。
さーて行こうかなーと、身体を動かしてると、下から昨日からの先行Pが登ってきて、先にF9を登っていった。結構落氷がすごかったんで、登りきってから順に取り付く。
F9 20m 3級。

加藤さん、黄氏と順調に登っていたが、黄氏が5mほど登ったところで、突然フォール!
幸いにも、雪の吹き溜まりにいいかんじで落ちたので、大したことはないだろうと、声をかえたら、大丈夫とのこと。だが頭が痛いという。手も足も痛くはなく、外傷もないようだ。近づくと、頭が痛いと訴える。落下時に頭を打ったようには見えなかったんで、落氷か、ということに。
おまけに「俺どうしたの?」「何があったの?」仕舞いには「なんでここにいるの?」ときたもんだ。いやーまいったなー。落ちたのを覚えてないようで、落氷を頭に受け、脳震盪を起こし、記憶が少し飛んでるようだ。
この状態ではフリーソロは無理なんで、TRで登ってもらうため、俺がザイルを垂らして登る。が、寒い中待ってたんで、手は痺れてて、登り終わったときには、また指に激痛が。うーいてー。加藤さんにビレイをお願いする。
しかし黄氏は一向に登ってこない。やはり回復には時間がかかるようだ。そうこうしてるうちに稲葉氏が登ってきた。聞くとゆっくりだが登ってきてるとのことで、安心する。しばらくして黄氏も登ってきた。なんとか大丈夫らしい。
このアクシデントで1時間のロス。今日の長丁場を考えると痛いが、フォールして無傷だったんで、不幸中の幸いと考えよう。これでアイスクライミングが終わり、あとは稜線目指し沢を詰めるだけ。
10分ほどで左から大きい沢が入ってくる。本流は小滝がノド状に狭まっていて、上に雪田が広がる。

風雪で先行Pはどちらに行ったかわからないが、昨日の降雪を考えると、本流はなーんか嫌なかんじがした。まだ左の沢のほうが良さそうなんで、そちらを選択。とにくか沢を詰めれば稜線につくばずだから。
200mほど急なルンゼを登り、尾根をひとつ越え、また次のルンゼを詰め上げ、適当に登りやすいところから右の尾根を登っていくと、大仙丈ケ岳へ続くと思われる尾根に出る。すると先行Pがいた。トレースはなかったんで全く同じラインではないと思うが、偶然同じ場所に出たわけだ。

支尾根とはいえ、さすがに稜線は風雪は強い。尾根を詰めあげるだけなのに、ホワイトアウトで思うようにはかどらない。とにかく一歩一歩高みを目指すのみ。

困ったことに、岡田のメガネは雪がつき、それが凍って全く役に立たなくなる。仕方なく裸眼で行動したが、ド近眼なんで、平衡感覚までおかしくなる始末で非常に難渋する。
11:20 大仙丈ケ岳に到着。いやー長かった!とりあえず記念撮影。

集合写真を撮る余裕はない。登頂した感激もない。ただこの強風雪から逃れたいだけ。すぐに仙丈ケ岳を目指す。だがこんな天気なんで、ホントにルートがわかりずらい。晴れてればなんてことはないのに、といっても仕方ないんで、あちこち迷いながらも、稜線の岩稜のアップダウンを続ける。
13時頃 仙丈ケ岳に到着。デジカメも低温で動かなくなり、時計も見る気にはなれず、時間もわからない。ただ今山行の最高峰に立ったから、少しは安堵感があった。
しかし、それがアマーイ認識だとわかるのには、時間はかからなかった。小仙丈ケ岳を目指すも、ホワイトアウトで地形が全然わからず、右往左往。冷たい烈風が容赦なく体温を奪い、手足は痺れたまんまで、温まる気配はない。顔にツララがついてるのがわかるが、痛くてはがせない。
それでも先行Pと前後しながら、15時過ぎになんとか小仙丈ケ岳に着いた。朝から1回しか休憩してないので、完全シャリバテ。
寒いが、ちょっと休憩してチョコを一口食べる。
小仙丈岳からもわかりづらい。時折展望が効き、大きな尾根が確認できたんで、そこを下っていくが、雪が風で飛ばされて少ないわりに、夏道を示すものが見えないし、どんどん急に、そして悪くなってくる。うーん違うな。クタクタだったが、100mほど登り返す。
いろいろ考え相談するが、うまくガスは切れてくれないし、烈風で体温はどんどん奪われる。日没が迫ってるのが、わかる。
仕方ない、ちょうど平坦地もあるし、もう1泊しよう。風がよく当たり、決していい場所ではなかったが、疲れきって寒さに震える現状では、これしか選択肢はなかった。テント泊だが、完全にフォスト・ビバークですな。
烈風のなかのテント設営は大変だったが、なんとか建て、逃げ込む。ガスを焚くが風がテント内を通り抜けるため、全然あったまらない。1時間ほどで落ち着き、夕食の準備やら、明日の行動を話し合う。明日も見通しがきかなかったら、この尾根を強引に下りてしまおう。夏道にぶつかるはずだから。
改めてみんなを顔をみると、顔に凍傷を負っていた。ハハハと笑いたいところだが、自分もそうだといわれ、うーん・・・。まーあの状況では仕方ないですな。
その後は寒さに震えながら、紅白を聞いてすごし、就寝。俺はとっておきのダウンを着て寝たが、初日に発覚したエアーマットの空気漏れや、シュラフが濡れてきたせいか、ちっとも温かくならず、足は冷たいし、ほとんど眠れぬ夜をすごした。夜中、風はさらに勢いを増し、ポールが折れるのだけが心配だった。
1/1(4日目) 晴:風非常に強い
6:00 起床。今日は遅いのだ。下山だけだし、疲れてるし。
予備食のラーメンを分け合って食べる。朝方少し弱まったと思われた風は、また勢いを増し、相変わらず強い。ザイルや登攀具を入れてないザックが5m動かされたほどだ。
そんな強風のなか、どうやってテントを畳むかが問題だ。全員出てしまっては飛ばされてしまうだろう。そこで先に2人だけ出て、ポールを抜き、テントを潰してから、残りの2人が出てくるようにしたら、うまくいった。
それにしてもこの日も寒い。俺の温度計はー27℃を指していた。あんまり当てにはならないが、烈風とあいまって寒いのは確かだ。もちろん手足の指は痺れたまんま。
天気は晴だろう。半々ぐらいで展望が利く。今いる尾根の東方面に北東に伸びる尾根がはっきり見え、ここから簡単にトラバースできそうだ。まず間違いなく北沢峠へ続く尾根だろう。
8時頃 トラバース開始。すぐに尾根に着き、ちょっと下ると岩に赤印もあり、正しいことを確認し、「もうもらった」気持ちで下りていく。しばらくトレースはなかったが、急に出てきた。件の先行Pもこの辺でビバークして、今朝下山したのだろうか?
8:45 大滝頭。もう少しだ。ここから入山者と20人くらいすれ違う。

9:35 北沢峠。やっと完全な安全圏に着いた。

アイゼンを外したり、身支度を整える。止まってると風もあり寒いが、上と比べれば、気になるレベルではない。
10時過ぎに出発。もうハイキングモード。ずーっと緩い下りだが、八丁坂で急下降し、最後は崩壊した正規道の悪い迂回路。
11:10 丹渓山荘跡から河原に下りたところで休む。ここからはずーっと河原歩き。歩きづらく結構疲れる。

12:35 第二堰堤を越えたところで休憩。さーもう1本だ。ここから林道歩きかと思ったら、道はすっかり崩壊してて、ほとんど河原歩きだった。
13:40 戸台登山口に到着。いやー北沢峠から長かったなー。

予備日内ではあったが、1日遅れてしまったんで、すぐに会長宅へ下山の連絡をする。装備を解き、塩沢にデポした車を取りにいく。雪が10センチほど積もってた。
高遠へ向かう途中の道の駅で、荷物の整理をし、高遠温泉の「さくらの湯」へ。元日ということでタオルももらい、入浴。結構混んでたが、いい湯で、露天の湯は肌がツルツルというよりヌルヌルになった。俺の指は軽く凍傷を負ったようで、湯につけられなかった。火傷と一緒ですな。
入浴後はそこで、名物のロースカツ丼を食べる。肉厚でやわらかくうまい!いくらか談笑して、17時に遠峰の二人と別れ、帰路に就く。さすがに元日なんで、帰省渋滞もなくスイスイ帰ってこれた。長野市内では雪が降っていたが、問題なし。
19:30 帰宅。2時間半とは早かったなー。加藤さんと別れて、無事冬合宿が終わった。