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不帰ノ嶮・T峰尾根

日にち:2010年5月3日 晴
パーティ:加藤・岡田

BC2430m(5:10-6:00)不帰沢出合1520m(6:30-8:10)?峰尾根稜線(8:25-11:50)断壁下(12:10-18:30)主稜線2450m(19:00-20:30)2峰北峰(20:35-22:30)唐松岳2696m(22:35-23:50)BC


3:00 起床。

パスタを食べ、準備。4時には明るくなり、日の出を拝む。
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5:10 出発。

今日は岡田・加藤さんが不帰1峰尾根、大島氏・町田・木本氏が不帰沢から不帰ノ嶮の縦走だ。よって不帰沢出合までは一緒なのだ。

まずは八方尾根を下り、支尾根を目指す。前日に見てるので降り口は明瞭。トレースもあった。トレースは支尾根を下ってるようだったが、潜るし草木が多いので、途中から右の沢へ下りてしまう。雪は丁度いい緩さで、ガンガンくだり、ほどなく唐松沢と合流。

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唐松沢は斜度がなく、スネまで潜り疲れるが、途中から真っ直ぐなボードで通った跡があり、その上はよく締まってて大変歩きやすかった。
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6:00 不帰沢出合。
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うーん早かった。大休止。めちゃくちゃ暑い。

1峰尾根への取付を見つけながら、30分ほど不帰沢を詰める。雪がつながってるルンゼ状を見つけ、ここから取りつくことにし、お互いの健闘を祈り、縦走組と別れる。


この雪壁から取りつく。
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出だしは40度くらいだったが、傾斜はどんどん強くなり、60度くらいとなる。上部に行くほど、雪は腐り、シュルンドも多く難渋する。ビミョーな所もあったが、ザイルは出さなかった。
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8:10 1峰尾根上に出る。なんとなくこんもりした尾根を想像してたが、そこそこナイフだった。トレースはないことをこの時は喜んだ。

そこからはリッジの藪を漕いだり、雪壁を回り込んだりを繰り返す。高温で雪は悪く、決して楽はさせてくれない。30分ほど行くとこんなもんが出てきた。
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さすがにザイルを出す。少々ビビリ気味の岡田は加藤さんにリードをお願いしてしまう。久しぶりのスタンディングアックスビレーだなーと緊張しながらも、うれしくて胸が高鳴る。

加藤さんはシュルンド下をトラバースし、ルンゼ状の雪壁を登り、立木まで。ビレイ中、もし落ちたら、よほど流さねーと止まらねーなー。いや、反対側へ俺が飛び込むか、いやいやそんなん有り得ねーなどと考える。

フォローしてそのまま俺が次のピッチ。ルンゼ状から緩いリッジへ登り、やはりシュルンドを避けながら急雪壁を登り、尾根上に戻る。ここでザイルをしまい、縦走組との10時の定時交信。トランシーバーだが、お互いが見える位置なんで感度良好。こんなのも面白いね。

しかし目の前のナイフリッジがすぐに春ウララな気持ちを打ち壊す。緩い登りならいいが、急登と下降は怖い!とにかく雪が悪いのだ。
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そんなことで断壁への登りでもザイルを出す。断壁へのトラバース。
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11:50 断壁下。
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休憩と定時交信。縦走組は稜線に抜け、1峰を登ってるとのこと。順調なようだ。さてどこから登ろうか?右のフェースにはボルトやハーケンが打ってあるが、アブミの世界。弱点ではないでしょ。左の凹角は普通に行けそうだ。が、何といっても正面でしょ!「男なら正面突破」と格好良くいいたいところだが、雪が多く繋がっているため、ハング下2mまで難なく行けてしまうのだ。

これはいいと取り付くと、足がない。いろいろ試すが、俺にはきれいにムーブでハングを乗越すことができないようだ(涙)。いいかげん手が疲れたんで、意を決し、デッド気味にハング上のガバを取りに行き、力技で体を持ち上げ、ハング左へ這い上がる。その上は階段状が10m続き、また雪壁。ピッチを切ろうかと思ったが、残置もないので、バイルを出し、そのまま突っ込む。70度近い雪壁だが、これが堅くて簡単なアイスクライミングってかんじで快適だった。が、それもつかの間、すぐに腐れ雪の急なナイフリッジとなる。

さーてそろそろ切んなきゃと思い見渡すが、あるのは5m左上の雪壁から飛び出た岩だけなんで、そこを目指す。岩の上に立つと案の定なーんにもないので、ハーケンを打ち、岩をまたいで腰かけてビレイ。うーんアルパインしてるなーと嬉しくて笑ってしまう。
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次は加藤さんがそのまま引っ張り、リッジ上の岩の残置ハーケンでビレイ。この岩に移る一歩は、ハンパなく怖い。213-P1020461


ここで2時間経ってしまい、定時交信。縦走組が2峰北峰の鎖場にいるという?遅すぎねーか?と思ったが、後で勘違いとわかった。まー今はこちらが早く安全圏に抜けることが肝要だ。その後4Pで左から支尾根を合わせたきれいなナイフリッジに出る。
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左のルンゼからトレースが上がってきてて、その先からはトレースがあった。1〜2日前かな。もう2Pザイルをつなぎ、雪も良くなってきたんで、ザイルを解き、ひたすら雪のナイフリッジと壁を登る。
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16時の定時交信は一瞬しかつながらず、状況がわからないので、ずーっと開放して、17時・18時とやってみたが繋がらない。距離が離れたためだろうと、縦走組の順調な進行を期待する。

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18:00 雪のない最終岩壁に突き当たる。
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トラバースは結構シビアだ。トレースの主はどこへ行ったんだろう。岩壁といっても木も多く、ランニングはいくらでも取れそうなんで、ザイルを付けて直登する。少し登るとトレースも見つけ、先人もここを登ったようだ。いい所を右へ左へ登り、ハイマツ帯を乗越し、35mほどで主稜線に出る。

18:30 主稜線。加藤さんとガッチリ握手。いやー遠かった。日没ギリだよ。

さすがに稜線は風が強く寒いので、すぐにアウターや目出帽などで防寒する。そしてザイルをしまい、燃料補給し、交信を試みるが、通じなかった。なんとか剣岳が見えたので、良かった。

19:00 下山開始。

といっても1・2峰のコルからは岩の急登。すぐにヘッ電を点けるが、体が言うことを効かなくなる。緊張で持ってた体力が一気に抜けてしまったようだ。何度も立ち止まって、這いつくばって登るかんじ。心配してた2峰北峰上部の雪のトラバースは、雪が締まっていて不安なく通過できた。そしてちょっと悪い岩を乗越すと、2峰北峰頂上。

20:30 2峰北峰頂上。
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その後はたいした悪場もなく、雪のない稜線の右側をトラバースすることが多くなるが、風はかなり強くなる。よろけることもあったんで20m/s前後はあっただろう。風で舞い上がった砂が目に入り辛い。何度か迷いながらも休み休み前進する。もうヨレヨレだった。

22:30 唐松岳山頂。
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うーん、感激だ―。写真の撮りっこをする。もち余裕の笑顔で!(嘘つきです)。唐松山荘の灯がこの上ない安心感を与えてくれる。コルまで下って登り返し。山荘前を通ると中に人がいて、時計を見ながら、「なんだコイツら」って目で見ていた。

山荘裏の風の少ない所で休憩し、八方尾根を下るが、トレースの方向がおかしいので戻り、小ピークへ登ったら正規のルートを見つけ、あとは迷うことなく、BCを目指す。もう俺には力は残ってなく、重力に任せて下るのみ。何度立ち止まって咳き込んで餌付いたことだろう。

23:50 BC着。


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