谷川岳・一ノ倉沢・一の沢

2001年10月8日(月)曇時々雨
パーティ=加藤・福島・岡田・永野
コースタイム=9:00一ノ倉出合〜12:00大滝〜15:00懸垂点〜20:00ビバーク地
                       6:00ビバーク地〜6:20シンセンのコル〜9:50マチガ沢出合

今回は会の秋山山行ということで、各自好きなようにルートをとって、10月8日の14時に谷川岳山頂に集合という企画だった。
我々は加藤・永野組が雲稜第1、福島・岡田組が変形チムニーの予定で前夜一ノ倉入りした。駐車場は空いていて楽々駐車・テンパれた。ささやかな酒宴を開いていると、夜中の1時過ぎに我々を呼ぶ声。その主は前日中央稜へ行って、もう寝ているはずの当会メンバー3人だった。まだ起きてるの?と思いきや、彼らはフル装備で疲れ切った顔をしていた。話を聞くと雪渓のないアプローチは初めてで、出合・取付・終了点すべてあやふやなまま行ってしまい、大分迷いながら行ってきたらしい。大分あまくみて入山したようだが日付が変わってまで行動する根性は大したものだ。

翌朝4時小雨。5時も小雨で気分はすっかり萎え、7時過ぎまで寝る。8時過ぎいくらか明るくなり、雨も止んだので、東尾根から谷川山頂へ行こうということになり、登攀用具をかなり減らして9時に出発。

10分ほどで一の沢出合に到着し、遡上する。水はチョロチョロ程度。小さい滝がいくつもあったがザイルを出すほどでもないので、直登・高巻でどんどん登る。次第に谷は深く切れ込み、傾斜は増し、大きな滝も続き、大きな高巻が増えてくる。そして20mほどの大滝に出る。FIXがあるものの腐りきっていてとても身を預ける気にはなれず、30m手前の左岸から大きく高巻くことにする。(これが失敗のもと)ここからしばらく結構な傾斜を藪漕ぎする。やっと下降できるような場所を見つけ、福島氏が懸垂してみるが次のビレイ点が無いということで、あえなく登り返す。

これで一の沢に戻れなくなった。仕方ないので尾根通しにトラバースし、いやらしい逆層の濡れたスラブを3ピッチつめ、再び藪へ。藪の200m先に見える岩峰を目指す。18:30、到着するとそこは明らかに支尾根だった。あたりは真っ暗で、距離はわからないが正面に懸垂岩らしき岩峰がみえる。風が強く寒いので、腐ったテープのある岩を支点に福島氏が懸垂下降する。底が見えず緊張ものだったが25mで谷底につく。そのまま強烈な藪漕ぎを100m直上し、稜線に出るも、これまたどこにも行けないようなナイフリッジ。仕方がないので風の無い谷底まで戻り、休憩する。

今後の事を話し合い、シンセンのコルが近いのは明らかだが、
1.暗闇の中、崖と藪を行くのはあまりにリスキー
2.疲労も大分出ている
3.ツェルトも1張ある
4.現在地が風も少なく座るスペースも充分
ということで、20:30ビバークすることに決める。

衣類は全部着込み、ザックをマットがわりにしてツェルトをかぶる。4人なので狭いがその分暖かい。加藤氏が山頂で乾杯用にと持ってきた日本酒を皆でチビリチビリやる。長ーい夜の始まりだ。22時過ぎに半端な姿勢で寝るものの、寒さと寝心地の悪さですぐ起きてしまう。これを5時まで繰り返す。

5時に準備を始め、ルートを良く確認する。昨日登った方向を左10度変えれば、100mでシンセンのコルに出れることが判明した。完全に明るくなった6時出発。20分藪を漕ぎ、念願のコルへ到着。携帯電話が通じたので、心配しているだろう会のメンバーや各々の家族・仕事場へ電話を掛ける。後はシンセン沢・マチガ沢を下るだけなので大休止。

シンセン沢では3回懸垂、マチガ沢は1回懸垂し、巌剛新道を下り9時50分マチガ沢出合へ到着した。帰りは皆午後から仕事に復帰した。

今回始めてビバークを体験したが、焦りはなかった。初ルート(無雪期)ながら、通い慣れた山域で、メンバーも登攀慣れしているからだろう。しかし、家族の顔色は心配だった。東尾根の単なるアプローチと考え、気楽に行ったツケがでてしまった。しかし初見ルートのルートファインディングはなんとも面白かった。

戻る