庚申山
平成12年3月26日(日)
パーティ=小杉、岡田、吉野
本庄(6:00〜7:40)かじか荘(8:00〜9:20)一ノ鳥居(9:40〜10:10)鏡岩(10:25〜11:15)庚申山荘(11:30〜13:00)山頂直下(13:30〜16:00)かじか荘
午前6時、日の出を拝みながら本庄商工会議所を出発。
道中いたって順調にいき、足尾に入ったところで猿を10匹ほど見て、7:40足尾の銀山平かじか荘へ到着し、車をとめる。
8:00準備を整え、舗装の林道を行くが、道を間違え、庚申川へ降りてしまい、登り返す。
20分ほど舗装の林道をいくと砂利道に変わり、幾分歩きやすくなる。途中鹿の死骸を発見し、腹がえぐれていたので熊のしわざかと、先行きを心配する。結局熊には会わずにシカにたくさん会うことになる。彼らは繁殖期らしく、盛んにキーキーと甲高い声でなき、尻を白く腫らしていた。そして我々を見ると崖をものすごい速さで、駈けていく。比べるのも変な話だが、人間より100倍は早いだろう。
1時間20分、休みなく林道を歩き、ようやく一ノ鳥居に到着。林道歩きは登山道と違い、地盤も固くペースも速くなるので、足に効き、けっこう疲れる。うっすらかいた汗が風にふれて心地いいが、すぐ寒くなる。
20分休憩し、鏡岩へ向かう。ここから緩やかな登山道となり、雪が出てくる。「庚申山は雪が多いゾ」という情報をつかみ、足首の自由が利かないプラスティックブーツをはいていた我々にとって待ち焦がれた状況だ。30分で鏡岩に到着し、休憩。雪がスネまでくるようになったので、スパッツを装着する。じっとしていると寒いので、休憩そこそこに庚申山荘へ向かう。
傾斜が強まるにつれ雪も多くなるが、せいぜいひざ下で、トレース(足跡)も少しあるのでさほど苦労もせず、50分で庚申山荘へ到着。この山荘は無人だが、とてもきれいで宿泊も可能である。ただ暖房がないので室内温度がマイナス3.5℃だった。どうりで寒いわけだ、と納得する。
小休止後、今山行のハイライトとなる山頂までの急登へ出陣する。しかしここからは数日前のトレースしかなく、非常にがわかりずらい。おまけにひざまで雪に埋まる状況になった。当然ペースは遅くなり、息もあがる。途中立派な水色の氷瀑を発見したり、岩場の胎内くぐりをしたりで気をまぎらわすが、斜度はどんどんきつくなり、雪も深く、岩場もあったりで難渋する。1時間登り続けても山頂に着かず、また初めて登る山なのでルートも良くわからないため、非常につらい。それでもなんとか尾根にでて、山頂が近いと感ずる。ところが尾根上は、雪はひざ上、風は強い、ルートはない、雪は降ってくるという状況で、最悪だった。もう少しで山頂だと力を振り絞るが、次から次へと高い頂が登場し、気分が滅入りまくる。このままでは力尽きて遭難の可能性もありうるので、13:00タイムリミットということで、風のない平地を選び、昼食にする。ラーメンを食べようと湯を沸かすが、待っている間に手の感覚がなくなる。疲労と発汗と低気温(マイナス10度位)で体温がかなり奪われているようだ。手を火に近づけ、なんとかラーメンを食べる。食べ終わったらすぐ片付けて下山開始。下りの岩場はやっぱり怖く、雪の足場を壊さないよう慎重に下る。40分で庚申山荘へ到着。雪は降ってるものの、風も穏やかで山頂付近とは別世界だ。生きて帰ってきたことに安堵する。またようやく手の感覚が戻るが、小指の先はしびれてたままで、1週間直らなかった。
小休止後、一ノ鳥居まで一気に下り、雪とおさらばする。
最後の林道歩き50分は、疲れた体にとても苦痛だった。
16:00、かじか荘の駐車場に到着し、風呂へ直行する。下山後すぐ入る風呂は格別で、男3人のあえぎ声が風呂場にこだまする。風呂あがりに山頂で飲もうと思っていた缶酎ハイを飲み、至福の時を過ごし、17:00帰路につく。
庚申山は足尾山塊で、夏のハイキングコースとされているが、それはあくまで庚申山荘までの話である。山荘上部の岩場は一般登山道としては危険が多い。今回、春山気分で挑んだが、山荘上部はまるっきり冬山だった。装備は整えていたものの、気持ちのギャップは大きく、「なめるなよ!」と山に怒られた気分であった。しかしいつでも遭難し得る状況の中、自分達でルートを見定め、トレースをつけ、山頂を極める快感(苦労?)は忘れられないので、今度は厳冬期に再挑戦し、山頂で熱燗を飲むつもりである。